星のしずく暮らし

自然と共に ゆったり暮らそ

畳屋さん

天草に引越しのお手伝いに行った一泊目の晩は、これまでジュリアン一家が暮らしていた家に泊めて頂いたのですが、そこは、奥さんの貴恵さんのご実家で、畳屋さん☆


お父さんの代から60年ほど続いていて、今は、貴恵さんのお兄さんが引き継いでいます。


引越し荷物の片付けを一段落させて、後は明日…となった夜の12時頃から近くに住むお兄さんが来られ、畳のお仕事を始められました。


普段は、別のお仕事をされていて、畳のお仕事が入った時に畳屋さんに変身します(笑)


この時期は、引越しや移動が多いので畳屋さんも忙しい時らしく、徹夜でお仕事されるとか!


興味津々、夜中でしたが、畳表の張り替え作業を見学させて頂きました♪



まずは、横のヘリを包丁で切って、畳表を剥がします。


この使われている包丁が、あまりにも変わった形なので、特別なモノなのかお聞きしたら、長年磨ぎながら使われているので、次第にこんな形になったとか!


やっぱり道具って、その仕事に合わせて育ってゆくものなのですねぇ〜


そして、剥いだ畳表を裏返して、畳の上に乗せて、端っこを大きなマチ針の様なモノで止めていきます。


必殺仕事人を思い出しました☆古い?(笑)



その時に面白いのが、畳の下の両端に枕木を敷いて、真ん中が少し下に下がる様にする事。

こうする事で、畳表をピンっと張る事が出来るそうです。


そして、ミシンの様な機械の上へ。


横を縫うミシンとヘリに布を縫いつけてゆく機械は別のミシン。


畳ごとグルンっと回せたり、畳を縦にしたり横にしたり出来る様な大きなミシンでした。


以前、お父さんは、ミシンではなく太い針で手縫いしていたとか。


お兄さんは畳の仕事を覚えて十数年。お父さんと一緒に仕事をする事で、何も教えてくれないお父さんの仕事を横で見て、何度もたくさん失敗しながら自分で覚えていかれたそうです。

マチ針で止めた所をミシンで縫ったら、別のミシンに乗せて、ヘリの布を縫いつけてゆきます。


要領は、普通のミシンで服を縫うような感じで折り返したり、返し縫いしたり…

切れの良いリズム感のある動きで、テキパキと進めていかれます。



でも、素材が素材だけに、かなり重労働ですよね。

藁でできた昔ながらの畳は30キロほどあったようです。


湿気を吸うともっと重くなっていたとか。

そういえば梅雨明けには、畳もあげて外で干してましたよね。


今では、畳の床は、集積材のような板と発泡スチロールのようなモノになっているそうです。


だけど、やっぱり藁の柔らかな感覚がよくて藁を…とご注文される方々もいらっしゃるとか。

そちらの方が特注になっちゃってきてるそうです。


昔、畳床が藁で出来ていた頃には、河浦中の稲藁は、お父さんの倉庫に集められ、この作業場の上は、藁だらけだったよ!と話して下さいました。


農業が機械化され、コンバインで稲刈りする様になると、稲藁は、刈ると同時に籾付きのお米と藁に分けられ、藁は粉々になって田んぼに鋤き込まれるのです。

だから、稲藁自体が手に入りにくくなってしまいます。

昔は、何処でも稲刈りの後では、田んぼに掛け干ししてましたが、それも少なくなってきて、手間をかけず、出来るだけ早く新米を出荷するようになってきたからでしょうね。


機械化され効率をよくしてゆく…そんな背景が、いろんな文化の形を変えていってしまってるのだなぁ〜と思いました。



畳がなくてフローリングだけっていう家も増えてきてますよね。


でも、やっぱり日本人は畳の上でゴロンっとするのがホッとするよねぇ〜と話されてました。


夜中でしたが、面白い畳屋さん見学でした。


お忙しいお仕事中にお邪魔しました☆


ありがとうございました!